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論文

Effects of radioactive cesium from suspended matter and fallout on agricultural products

二瓶 直登*; 吉村 和也

Agricultural Implications of Fukushima Nuclear Accident (IV), p.33 - 40, 2023/09

To determine the effects of radioactive Cs in suspended matter and fallout on the secondary contamination of Komatsuna was investigated. The radioactive Cs detected for Komatsuna was resulted by not only suspended matters but also deposition of soil particles that bounced up from the ground due to rainfall. Additionally, the secondary contamination of Komatsuna was derived from not only adhesion to plant surfaces but also adsorption into the plant. Dissolved and particulate forms of radioactive Cs were observed in fallout, of which bioavailable fraction might contributed to the secondary contamination.

論文

7.2 放出源情報

寺田 宏明

点発生源からのメソスケール拡散シミュレーション; 福島第一原子力発電所事故をふまえて(気象研究ノート第248号), p.115 - 121, 2023/09

大気拡散モデルの検証に必要な入力データのうち放出源情報について述べる。ここでは、福島第一原子力発電所事故時の放出源情報として、日本原子力研究開発機構により大気拡散計算結果と環境モニタリングデータの比較に基づき推定された成果から、Katata et al. (2015)とTerada et al. (2020)について推定手法の概要と推定結果の特徴を解説する。Katata et al. (2015)では、新たに公開された環境モニタリングデータと沈着計算を精緻化した大気拡散計算により主要な放射性核種($$^{137}$$Cs, $$^{134}$$Cs, $$^{131}$$I, $$^{132}$$Te)の放出率が逆推定され、従来の研究では不明であった事故初期の放出率の詳細な時間変化が明らかとなった。Terada et al. (2020)では、ベイズ推計に基づく統計的な最適化手法が導入され、大気中濃度,地表沈着量,日降下量の複数種の測定データを用いて従来の推定による放出率推移が最適化された。この再推定では、新たに公開された$$^{137}$$Cs大気中濃度の多地点連続データが活用され、このデータとベイズ推計を組み合わせた解析手法により放出率だけでなく気象場も改善された。

論文

緊急時放射能影響予測システム(SPEEDI, WSPEEDI)

永井 晴康; 茅野 政道*

点発生源からのメソスケール拡散シミュレーション; 福島第一原子力発電所事故をふまえて(気象研究ノート第248号), p.1 - 58, 2023/09

原子力機構は、国内外の原子力事故時に大気放出される放射性物質による影響を評価するために緊急時環境線量情報予測システムSPEEDIおよびその世界版WSPEEDIを開発した。これらのシステムは、実際に発生した原子力事故への対応をはじめ、様々な大気拡散事象に応用され、多くの実績を上げてきた。ここでは、これらのシステム開発の経緯と概要、システムの検証、そしてシステムの利用実績について解説する。

論文

1F事故の教訓を踏まえた原子力防災の在り方

嶋田 和真; 永井 晴康; 橋本 周; 飯本 武志*

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 65(5), P. 290, 2023/05

本稿は、日本原子力学会の特集記事「1F事故を経てこれからなすべきことは何か、1F事故の何を次世代に伝えるか」のうち、保健物理・環境科学部会のメンバーが関与してきた原子力防災に関する議論と今後の提案をまとめたものである。原子力学会の事故調査委員会及び日本気象学会の提言を鑑み、UPZ圏内外の住民への避難等の防護措置の意思決定を支援するために放射性プルームの挙動及び住民の避難行動の予測を検討する。住民の放射線被ばくの健康リスク及び倫理的側面を踏まえた防護措置の意思決定及び住民へのリスクコミュニケーションの実践が新たに提案された。

論文

Estimation of children's thyroid equivalent doses in 16 municipalities after the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station accident

鈴木 元*; 石川 徹夫*; 大葉 隆*; 長谷川 有史*; 永井 晴康; 宮武 裕和*; 義澤 宣明*

Journal of Radiation Research (Internet), 63(6), p.796 - 804, 2022/11

 被引用回数:2 パーセンタイル:27.14(Biology)

2011年の福島第一原子力発電所事故による被ばく線量と甲状腺がんの関係を明らかにするために、小児の甲状腺等価線量(TED)を評価する必要がある。これまでに、行動調査データと大気拡散モデルにより構築した放射性物質の時空間分布データベースを組み合わせたTED再構築手法について報告した。本研究では、この手法をさらに精緻化し、原発周辺16市町村における3256人の行動調査データに基づき、小児のTEDを評価した。TED評価結果は、いわき市,川俣町,飯舘村,南相馬市の小児1080人の測定データと近い値であった。1歳児のTEDの平均値は伊達市の1.3mSvから南相馬市小高地区の14.9mSvの範囲であり、95パーセンタイル値は伊達市の2.3mSvから浪江町の28.8mSvの範囲であった。本研究成果は、今後の甲状腺がんの調査に有効活用される。

論文

適合細分化格子ボルツマン法による大気境界層生成のためのパラメータ最適化

小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 下川辺 隆史*; 青木 尊之*

計算工学講演会論文集(CD-ROM), 27, 4 Pages, 2022/06

我々の研究グループでは、風況デジタルツインの実現に向けて、風況解析コードCityLBMを開発している。CityLBMは、計算領域周辺の境界条件をメソスケール気象データに同化させるナッジング法を導入することで、現実の風況を反映した解析が可能である。しかしながら、従来のナッジング法では、ナッジング係数が一定のため、大気状態が変化するような長時間解析の乱流強度を再現できない問題点が挙げられる。そこで、本研究では、パーティクルフィルタを用いた動的なナッジング・パラメータの最適化手法を提案する。CityLBMの検証として、米国オクラホマシティの風況実験に対する解析を実施した。シミュレーションと観測のそれぞれで得られる乱流強度の誤差を低減するようにナッジング係数を更新した結果、シミュレーションにおいて終日の大気境界層を再現できることを確認した。

論文

特集号「表面反応観察における大気圧光電子分光の現状、利用研究と展望」企画説明

吉越 章隆; 小川 修一*; 高桑 雄二*

放射光, 35(3), P. 157, 2022/05

大気圧光電子分光[AP(Ambient Pressure)-XPS]は、2000年ごろから気体-表面反応の観察を目的に世界の放射光施設で次々に稼働し、現在では、液体,固液界面の観察にも利用されている。表面現象の真の姿を捉えるツールとして著しい技術の発展と利用研究が進んでいる。放射光学会誌の特集号としてAP-XPSを取り上げ、その企画説明をする。

論文

X線光電子分光によるガス雰囲気中の表面反応観察; 歴史、応用、課題、将来展望

高桑 雄二*; 小川 修一*; 吉越 章隆

放射光, 35(3), p.158 - 171, 2022/05

放射光を用いた大気圧光電子分光(Ambient Pressure X-ray Photoelectron Spectroscopy: APXPS)による表面反応観察は2005年頃より急速に普及し、触媒などの固相/気相界面、電池などの固相/液相界面、イオン液体などの気相/液相界面の実用的研究分野で広範囲に利用されている。本解説ではAPXPS開発の黎明期、Si気相成長とSi酸化反応キネティクスのリアルタイム観察、APXPSの課題と今後の展望について述べた。

論文

時空間分割角度分解APXPS法による多層積層薄膜界面の深さ方向解析

豊田 智史*; 吉村 真史*; 住田 弘祐*; 三根生 晋*; 町田 雅武*; 吉越 章隆; 吉川 彰*; 鈴木 哲*; 横山 和司*

放射光, 35(3), p.200 - 206, 2022/05

大気圧光電子分光(AP-XPS)に立脚する多層積層薄膜界面の時空間深さ方向解析法の開発状況を述べた。初めに、時分割近大気圧硬X線角度分解光電子分光データによる深さ方向解析を行った。次に、空間分解能が備わった時分割角度分解AP-XPSデータの高速ピークフィッティングによる深さ方向解析法へ発展させ、酸化還元反応条件下での時空間深さ方向解析を実現した。また、スパースモデリングのジャックナイフ平均を組み合わせた、従来型の最大エントロピー法(MEM)が高い精度で深さ方向分布の動態計測に有効であることを述べた。

論文

大気中濃度と沈着量に基づく空間線量率推計値を用いた事故後初期のATDMの再現性検証

森口 祐一*; 佐藤 陽祐*; 森野 悠*; 五藤 大輔*; 関山 剛*; 寺田 宏明; 滝川 雅之*; 鶴田 治雄*; 山澤 弘実*

KEK Proceedings 2021-2, p.21 - 27, 2021/12

福島第一原子力発電所事故時の呼吸由来の内部被ばく線量評価において、I-131等の短寿命核種は重要であるが、被ばく線量や大気中濃度の実測値が少ない。そのため、他の核種の環境中濃度の実測値、大気移流拡散沈着モデル(ATDM)による推計値、空間線量率の測定値等に基づく総合解析が必要である。本研究では、Cs-137を対象として、これまでに構築してきた大気中濃度と地表沈着量に基づく空間線量率推計手法をATDM相互比較に供された国内外の多数のモデルに適用し、これまで検証が困難であった福島県内外の地域を中心に選定した計64地点を対象にATDMの再現性の検証を行った。その結果、初期被ばくの評価上特に重要な3月12日の原発から北方向へ輸送されたプルームについて、これまで対象としていた原発から25km地点より近傍の約10km地点における線量率のピーク値やそのタイミングを比較的良好に再現するATDMが複数存在することが分かった。また、実測値がなくこれまで検証が困難であった北関東地域でのプルームの輸送状況の再現性の検証に見通しが得られた。

論文

環境因子を考慮した炭素鋼の大気腐食モデリングとシミュレーション

五十嵐 誉廣; 小松 篤史; 加藤 千明; 坂入 正敏*

鉄と鋼, 107(12), p.998 - 1003, 2021/12

AA2020-0549.pdf:1.53MB

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

鋼の大気腐食に対する環境要因の影響を明らかにするために、相対湿度と降雨量を考慮した新たな大気腐食減量予測モデルを開発した。開発モデルを用いて、宮古島市,銚子市およびつくば市の年間大気腐食減量の計算シミュレーションを行った。計算シミュレーションによる腐食減量は各地点における実測値と良い一致を示した。各地点での腐食重量減量は、飛来海塩量,相対湿度、および降雨の影響を大きく受けることが分かった。

論文

気象データと飛来海塩を考慮した大気腐食計算モデルの開発

五十嵐 誉廣; 小松 篤史; 加藤 千明; 坂入 正敏*

防錆管理, 65(10), p.365 - 370, 2021/10

大気腐食に関連する重要な環境因子である飛来海塩量,気温,相対湿度,降雨を考慮した新たな解析モデルを開発した。大気腐食減量についてシミュレーション予測値と実測データを比較することで開発モデルの妥当性を検証した。また軒下曝露条件および屋外曝露条件における大気腐食減量についてシミュレーション予測値と実測データと比較した結果、降雨による表面洗浄効果によって大気腐食減量が強く抑制されることを確認した。

論文

$$^{129}$$I/$$^{127}$$I and $$Delta$$$$^{14}$$C records in a modern coral from Rowley Shoals off northwestern Australia reflect the 20th-century human nuclear activities and ocean/atmosphere circulations

三ツ口 丈裕; 岡部 宣章*; 横山 祐典*; 米田 穣*; 柴田 康行*; 藤田 奈津子; 渡邊 隆広; 國分 陽子

Journal of Environmental Radioactivity, 235-236, p.106593_1 - 106593_10, 2021/09

 被引用回数:5 パーセンタイル:35.21(Environmental Sciences)

深部流体の識別指標に資するためのヨウ素129($$^{129}$$I)測定技術開発を目的として、北西オーストラリア産の現生サンゴ骨格年輪(西暦1931年-1991年)のヨウ素129濃度($$^{129}$$I/$$^{127}$$I)及び炭素14濃度($$Delta$$$$^{14}$$C)を測定した。$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iは東濃地科学センター加速器質量分析装置(JAEA-AMS-TONO-5MV)を用い、$$Delta$$$$^{14}$$Cは東京大学の加速器質量分析装置を用いて測定した。その結果、$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iと$$Delta$$$$^{14}$$Cの両方で1950年代から明瞭な上昇が見られた。$$Delta$$$$^{14}$$Cの上昇は大気圏核実験によるものであり、$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iの上昇は大気圏核実験及び核燃料再処理によるものである。以上の結果は先行研究と良く一致していることから、JAEA-AMS-TONO-5MVによる$$^{129}$$I/$$^{127}$$I測定が更に拡張されたといえる。

報告書

北朝鮮地下核実験対応のためのWSPEEDI-II自動計算システムの移管と運用

根本 美穂*; 海老根 典也; 岡本 明子; 保坂 泰久*; 都築 克紀; 寺田 宏明; 早川 剛; 外川 織彦

JAEA-Technology 2021-013, 41 Pages, 2021/08

JAEA-Technology-2021-013.pdf:2.52MB

北朝鮮が地下核実験を実施した際には、原子力緊急時支援・研修センター(支援・研修センター)は、原子力規制庁からの要請に基づき、国による対応への支援活動として、原子力基礎工学研究センター(基礎工センター)の協力を得て、WSPEEDI-IIを用いて放射性物質の大気拡散予測計算を実施し、予測結果を原子力規制庁に提出する。本報告書は、北朝鮮地下核実験対応に特化するために基礎工センターで開発され、平成25年(2013年)2月から平成29年(2017年)9月までに実施された3回の地下核実験対応に使用されたWSPEEDI-II自動計算システムの支援・研修センターへの移管と整備について記述する。また、移管・整備した自動計算システムに関するその後の保守と運用について説明するとともに、北朝鮮地下核実験対応における今後の課題について記述する。

論文

大気拡散データベースシステムWSPEEDI-DB; 放射性物質の大気拡散を様々な気象・放出条件で即座に計算

寺田 宏明; 永井 晴康

Isotope News, (775), p.44 - 48, 2021/06

国内の原子力緊急時に迅速に放射性物質の大気拡散予測情報を提供するための緊急時対応システムとして、旧日本原子力研究所(現在の日本原子力研究開発機構、以降「原子力機構」)は、緊急時環境線量情報予測システム(System for Prediction of Environmental Emergency Dose Information: SPEEDI)を開発し、「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」として文部科学省により運用された。その後、原子力機構では、計算範囲の拡大と高度な気象及び拡散計算モデルの使用により予測性能を向上した世界版SPEEDI (WSPEEDI: Worldwide version of SPEEDI)を開発し、様々な応用研究を行ってきた。筆者らは、2011年3月11日に発生した東日本大震災に起因する東京電力福島第一原子力発電所事故に対して、このWSPEEDIの活用により様々な対応を実施してきた。この経験に基づき、様々な気象条件や任意の放出条件に対する大気拡散計算結果を即座に取得でき、様々な応用が可能な大気拡散データベースシステムWSPEEDI-DBを開発した。本稿では、WSPEEDI-DBの開発の経緯と本システムの概要について述べる。

論文

5.4.3 大気拡散シミュレーションによるソースターム評価

永井 晴康

シビアアクシデント時の核分裂生成物挙動, p.112 - 116, 2021/05

福島第一原子力発電所事故による環境影響や公衆の被ばく線量を評価することを目的に、大気拡散シミュレーションを活用して放射性物質の大気中への放出量(ソースターム)の推定と拡散状況の解明が行われている。ここでは、日本原子力研究開発機構により、事故後早期から今日に至るまで実施されてきた研究を中心に、ソースターム推定の概要、事故進展と大気拡散過程、解析の課題と今後の展開について解説する。ソースタームの推定は、大気拡散シミュレーションを用いて、環境モニタリングデータから逆推定することでI-131とCs-137の放出率の時間推移を求めた。この推定値を用いた大気拡散シミュレーションは、測定された大気中濃度の時間変化と地表沈着量分布を良好に再現し、住民の避難行動パターンと組み合わせた線量推計に活用された。また、大気中に放出された放射性物質の大気拡散により、どのように大気拡散し陸域の汚染が生じたかを明らかにした。しかし、環境データからの逆解析には核種組成と化学形の情報が不足することに起因する不確かさがあるという課題があり、今後過酷事故解析と融合することで、ソースターム推定のさらなる精緻化が期待される。

報告書

北朝鮮による地下核実験に対する大気拡散予測の対応活動

石崎 修平; 早川 剛; 都築 克紀; 寺田 宏明; 外川 織彦

JAEA-Technology 2018-007, 43 Pages, 2018/10

JAEA-Technology-2018-007.pdf:5.67MB

北朝鮮が地下核実験を実施した際、原子力緊急時支援・研修センターは、原子力規制庁からの要請に基づき、国による対応への支援活動として、原子力基礎工学研究センターの協力を得て、WSPEEDI-IIシステムを用いて放射性物質の大気拡散予測計算を実施し、予測情報を原子力規制庁に提出する。本報告書は、北朝鮮による地下核実験に対する国及び原子力機構の対応体制を説明するとともに、平成28年9月及び平成29年9月に実施された5回目及び6回目の地下核実験を主たる対象として、原子力緊急時支援・研修センターが実施した大気拡散予測に関する一連の対応活動を記述する。さらに、予測計算に使用した計算プログラムシステムの概要について説明するとともに、北朝鮮地下核実験対応における今後の計画と課題を記述する。

論文

LES studies for predicting plume concentrations around nuclear facilities using an overlapping technique

中山 浩成; 竹見 哲也*

Proceedings of 18th International Conference on Harmonisation within Atmospheric Dispersion Modelling for Regulatory Purposes (HARMO-18) (USB Flash Drive), p.843 - 847, 2017/10

原子力緊急時において、プルーム拡散挙動や汚染域の空間分布などの詳細情報を得るために、Large-Eddy Simulation(LES)に基づく計算流体力学モデルの活用が有効である。しかしながら、LESによる非定常計算の実行に膨大な時間が必要であることが緊急時の適用において課題となっている。そのため、重合法を用いることにより局所域スケールでの大気拡散挙動を迅速かつ詳細に予測できる計算手法の開発を目的とする。本研究で提案する重合法は、初めに、代表的な風速データを入力条件として与えた仮想気象条件下での原子力施設から点源放出されたプルームの大気拡散計算を36風向について行い、10分平均での風速と濃度のデータを各風向毎に作成する。次に、対象期間での濃度分布を、風向変動の出現頻度に応じて10分平均濃度分布を重ね合わせて評価する。本手法の妥当性を調べるために、観測データを入力条件として与えた実気象条件下での大気拡散計算を行い、重合法による濃度分布と比較した。その結果、変化する気象状況下での1時間平均濃度分布と良好に対応することが示された。これにより、重合法を用いた局所域大気拡散計算手法は即時対応が可能であることが示唆された。

報告書

大気拡散計算に関連する気象観測データの解析; 2005年度$$sim$$2015年度

西村 朋紘; 小沼 利光*; 水谷 朋子; 中野 政尚

JAEA-Technology 2017-019, 60 Pages, 2017/09

JAEA-Technology-2017-019.pdf:3.2MB

日本原子力研究開発機構バックエンド研究開発部門核燃料サイクル工学研究所では昭和30年代から気象観測を継続して実施している。再処理施設から大気放出される放射性気体廃棄物を環境影響評価に使用する目的で1974年には気象観測塔を設置して観測を行い、2013年12月からはドップラーソーダによる観測に移行した。本報告書は、2006年3月に報告された「大気拡散計算に関連する気象観測データの解析; 1995年度$$sim$$2004年度(JAEA-Technology 2006-008)」以降、2005年度から2015年度までの11年間に実施した大気拡散計算に関連する気象統計結果を取りまとめ、気象要因に関連する大気拡散の特性について考察した。

論文

Impacts of C-uptake by plants on the spatial distribution of $$^{14}$$C accumulated in vegetation around a nuclear facility; Application of a sophisticated land surface $$^{14}$$C model to the Rokkasho reprocessing plant, Japan

太田 雅和; 堅田 元喜; 永井 晴康; 寺田 宏明

Journal of Environmental Radioactivity, 162-163, p.189 - 204, 2016/10

 被引用回数:7 パーセンタイル:22.36(Environmental Sciences)

陸面$$^{14}$$Cモデル(SOLVEG-II)を用いて、植生の炭素取り込みが原子力施設周辺の植生への炭素14($$^{14}$$C)の蓄積に及ぼす影響を評価した。SOLVEG-II、気象モデルおよび大気拡散モデルを結合したモデル計算を、2007年の六ヶ所再処理工場(RRP)の試験運転中の$$^{14}$$CO$$_{2}$$移行に適用した。RRP周辺の水田における白米中$$^{14}$$C比放射能の計算値は観測値と一致した。RRPからの$$^{14}$$CO$$_{2}$$連続放出を仮定した数値実験の結果から、収穫時の稲の$$^{14}$$C比放射能と大気中$$^{14}$$C比放射能の年平均値が異なることが示され、これは大気中$$^{14}$$CO$$_{2}$$濃度の季節変動と稲の成長に起因したものであった。$$^{14}$$CO$$_{2}$$放出を日中に限定したところ、日中の光合成による高い$$^{14}$$CO$$_{2}$$取り込みの効果によって、夜間に放出を限定した場合に比べて稲の$$^{14}$$C蓄積が顕著に増加した。以上より、長期連続あるいは日内の短期$$^{14}$$CO$$_{2}$$放出時の$$^{14}$$Cの経口摂取による被ばく評価では、各々、植物の成長段階と光合成を考慮する必要があることがわかった。

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